異業種の人が同じ場所で仕事をする上田市常田(ときだ)のコワーキングスペース「HanaLab.(ハナラボ)」の利用者たちが、上田紬(つむぎ)の新たなビジネスモデルを考えて地元企業に提案しようと、プロジェクトチーム「チームツムギ」を結成した。着物や民芸品への利用にとどまらない紬の魅力を引き出し、かつてのように地域産業として活性化させる狙い。ハナラボに集まり、新商品の提案やPR戦略について話し合っている。 ハナラボが昨年秋、起業希望者や会社員らを対象に開いたビジネスモデルづくりに関する勉強会がきっかけ。20人余が4チームに分かれ、上田紬の商品化についてアイデアを出し合った。参加者から「せっかくだから実現に向けてもっと議論を進めよう」と声が上がり、プロジェクトチームを発足させた。 メンバーはいずれも東信地方在住で、服飾、広告業界の関係者、元製造業技術者、信州大繊維学部生、ハナラボスタッフの5人。これまでの話し合いでは、丈夫で温かみのある生地の風合いを生かしつつ、インクジェットプリンターなど現代の技術を使った商品化を検討。アロハシャツや沖縄の「かりゆしウエア」風のシャツなどの提案、インターネットを通じた上田紬の紹介方法についても意見交換している。 地元の紬工房に協力を呼び掛け始めており、提供を受けた上田紬のサンプルを見ながら話し合っている。上田市出身で、東京の大手アパレルメーカーでの勤務経験もある服飾パタンナー(型紙製作者)の田中美和さん(上田市塩川)は「上田にこんなに素晴らしい生地があることは服飾関係者にもあまり知られていない。異業種の人たちの力を合わせて、今までにない活用法を考えたい」と話す。 問い合わせはハナラボ(電話0268・75・5867)。(長野県、信濃毎日新聞社)
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