東京・銀座の百貨店「銀座三越」で6月に全国の野生鳥獣肉(ジビエ)を集めた催事が企画され、松本市の総菜会社「本郷鶏肉(ほんごうけいにく)」がシカ肉料理で出店する。銀座三越の担当者が28日、松本市を訪れて料理を試食し、本郷鶏肉社員らとジビエの売り出し方も話し合った。 銀座三越の担当者、大沢邦英さん(29)によると、催事は「モノがあふれる時代でも、百貨店は他にはない面白いものがある―という楽しさが必要」との視点で、まだ流通量の少ないジビエに着目した。以前、別の催事で出店した縁から本郷鶏肉にも出店を依頼した。同社の山崎肇社長は「他の長野県の物産より存在感が出せそう」と初めてジビエの総菜に挑戦した。 この日は同社が経営する松本市の飲食店で、県や市の職員、シカ肉の卸業者らも交え、県内で捕獲されたシカを同社で調理したシカ肉のローストや香草焼きなど6品を試食。大沢さんは「臭みはない。おいしい」と驚きつつ、「ローストは売る時カットして、鮮やかな肉の色を見せた方がいい」などと助言した。総菜開発を担当した本郷鶏肉の小宮山明日香さん(23)は「お客さんにシカ肉はあまりなじみがないと思う。目で見て欲しいと思ってもらえる売り方も考えたい」と話した。 催事は「味覚の冒険 ジビエ特集」のタイトルで、6月12~18日。本郷鶏肉の他、北海道や東京、静岡県の計4社が出店する。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧