諏訪市四賀のJR中央東線「武津(たけつ)踏切」で2008年5月、自転車に乗った男子中学生=当時(12)=が特急列車にはねられて死亡したのは、遮断機がなく安全対策が不十分だったのが原因だとして、両親がJR東日本に3410万円の損害賠償を求めた訴訟で、地裁諏訪支部(下沢良太裁判官)は28日、両親の請求を棄却する判決を言い渡した。 判決では、中学生が踏切に入った時の見通しについて「障害となるものは認められない」と指摘。事故当時、音などで危険を知らせる2基の警報機が設置され、一時停止を促す看板もあったことから、「遮断機がなくとも、踏切としての本来の機能を全うできる状況にあった」とし、同社側に踏切設置上の瑕疵(かし)(欠点)はないと述べた。 判決を受け、中学生の母親(50)は「踏切の安全を改善する良い結果を期待していたので残念」と話し、原告側の代理人弁護士は「両親と相談し、控訴するかどうか検討する」としている。 JR東日本広報部は判決について「当社の主張の正当性を認めた妥当な判断と考える」とした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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