小諸市の柳田剛彦市長は県厚生連小諸厚生総合病院の再構築方法に関する市の最終方針について、15日の市議会特別委員会で予定していた表明を延期した。「現時点で最終的に方向性を決断するに至っていない。もうしばらくの時間を与えていただきたい」とし、19日の次回特別委をめどに努力する考えを説明した。 県厚生連は病院を現市庁舎敷地へ移転し、新市庁舎などと併設する計画以外は「受け入れ不可能」とする。これに対し柳田市長は15日の特別委で、旧小諸町時代に現市庁舎敷地に学校があったことにあらためて言及し、「庁舎一帯を教育・文化の発祥の地として残しておくべきだ」との思いを強調。一方、「小諸厚生の(入院や手術が必要な救急患者を受け入れる)2次救急が小諸からなくなっていいとは考えていない」とも述べ、「最終決断は極めて重く、慎重にならざるをえない」と延期に理解を求めた。 市と県厚生連が昨年結んだ覚書に盛った「2015年度をめどに再構築完了」を守るには11月までの決断が必要とされる。柳田市長は8日の前回特別委で、15日までに方向性を出す考えを示していた。 この日の特別委では、併設計画推進の委員が「特別委は(8日に併設計画賛同の)方向性を出した。市長の思いはあるかもしれないが、(市人口)4万4千人の市長として判断してほしい」と要望。併設計画に慎重姿勢を示してきた委員は「良い病院を望む」とした上で、財政負担も考慮した判断を求めた。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧