県内の高速道路で3月にトラックが絡む車同士の死亡事故が3件相次ぎ、既に昨年1年間の発生件数(2件)を上回った。事故原因は県警高速隊が捜査を進めているが、前方不注意が原因の一つとみられている。県警などは2日、3月22日に1人死亡の事故が起きた松本市の長野道下り線梓川サービスエリア(SA)で、運転手らにチラシを配って注意を呼び掛けた。 県内では同日、同SA付近で計10台が絡む多重事故が発生、高速バスに追突した大型トラックの運転手1人が死亡した。25日未明には上伊那郡宮田村の中央道上り線で、止まっていたキャンピングカーにトラック2台が追突し、キャンピングカーの夫婦が死亡。31日未明には伊那市内の中央道下り線で、単独事故で止まっていた乗用車に大型トラックと大型トレーラーが追突、乗用車の女性1人が死亡した。 3件は、停車車両が絡む夜間の事故である点が共通。宮田村と伊那市の2件で追突したトラック、トレーラーの運転手4人は、高速隊の調べに「気付いた時には避けきれなかった」などと証言した。この2件で、停車車両は路肩や路側帯と走行車線にまたがって止まっていたが、県警は追突した側の前方不注意もあったとみている。 夜間走行するトラックについて、県トラック協会(長野市)の番場千秋専務理事は「前方の障害物には気付きにくく、対策は難しい」と指摘。高速隊は高速道路でやむを得ず止まる場合、できるだけ走行車線を避けて停車し、三角表示板や発炎筒で後続に車が止まっていることを知らせるよう呼び掛けている。 県警交通企画課によると、ことし1月から4月1日までに、県内の高速道路で起きた人身事故は前年同期比9件減の31件。死者は同3人増の4人となっている。 高速隊の隊員らは2日、梓川SAに駐車中のトラック運転手らに声を掛け、過去の事故の概要などを書いたチラシを渡して注意を喚起した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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