約1500本のタカトオコヒガンザクラが満開となって初の週末を迎えた伊那市高遠町の高遠城址(じょうし)公園は13日、朝から花見客でにぎわった。公園周辺では、福島県会津若松市のそば店主らが初めて出店。江戸時代初期の高遠藩主保科正之が転封(国替え)に伴って会津藩などに広めたとされる「高遠そば」を提供し、盛り上げに一役買った。 高遠そばは、辛味大根や焼きみそを使った独特の「からつゆ」で食べる。「信州そば発祥の地」を主張する伊那市が、新そばの時季だけでなく観桜期にもPRしようと、そば打ち技術向上などに取り組む会津若松市の「会津そばトピア会議」に出店を打診した。 店主らはこの日、公園近くの県宝「旧馬島家住宅」に「馬島亭」の名称で出店。12人がそば打ちを実演しながら出来たてを提供した。さいたま市の会社員三浦直紀さん(29)は「満開の桜においしいそば。大満足です」。 この日は約450食分を完売。同会議会長の長谷川徹さん(65)は「会津と伊那で協力し、高遠そばのブランド化を進めたい」と話していた。馬島亭は14日も、午前9時~午後3時半ごろに出店する。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧