Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

霧ケ峰「火入れ」延焼154ヘクタール焼く 強風にあおられ

$
0
0

 28日午前9時40分ごろ、諏訪市郊外の霧ケ峰で、下草や雑木などを焼く「火入れ」の火が強風にあおられて燃え広がった。諏訪広域消防本部の消防車など29台と、長野、山梨、埼玉、群馬、岐阜各県の消防防災ヘリコプター5機、陸上自衛隊のヘリ2機が消火に当たり、約7時間後に消し止めた。同本部によると、下草や山林など諏訪、茅野両市にまたがる約154ヘクタールを焼いた。けが人はなかった。  火が近くのビーナスライン(県道諏訪白樺湖小諸線)にも接近したため、諏訪署は富士見台駐車場周辺にいた観光客らに退避を要請。現場付近の約12キロを午後2時から約2時間にわたり通行止めにするなど、大型連休中の観光客にも影響が出た。  火入れを予定していたのは、標高約1550メートル付近にある踊場(おどりば)湿原北側の草原約10ヘクタール。地権者や消防団員ら約400人が参加し、午前8時40分に着火した。事前に周囲の下草を刈って防火帯を設けた上で、参加者が残り火をたたいたり、消防団員が放水したりして消す計画だった。だが、強まった風で防火帯を越えて南東方向へ燃え広がった。  火は茅野市との境に近い通称「ガボッチョ山」(1681メートル)の山麓全体に拡大。一時、宿泊施設など約30軒がある同市車山高原のペンション街まで約1キロに迫った。県は自衛隊に災害派遣要請し、相馬原駐屯地(群馬県)から監視機を含むヘリ4機が出動。500人態勢で消火に当たった。  霧ケ峰の諏訪市側での火入れは、草原の森林化を防ぎ、景観を守る狙いで2005年、約半世紀ぶりに復活。市や地権者などの実行委員会(会長・山田勝文諏訪市長)が、昨年までに計約90ヘクタールを焼いた。  点火役を務めた山田市長は取材に「万全の準備はしていたが、想定外の風で火の手が広がってしまった。観光客にも迷惑をかけることになり、申し訳ない」と話した。  県危機管理部によると、2000年以降に県内で山林などを焼いた火災としては、02年3月に松本市本郷の山林約176ヘクタールを焼いた火災に次ぐ規模。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles