第84回メーデーは1日、連合長野系が県内7会場、県労連系が11会場で開いた。昨年末の政権交代後に迎えた初の労働者の祭典に計約1万8千人(主催者発表)が参加。安倍政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復ムードがとりざたされる一方で足元の生活実感は厳しいとし、集会やデモ行進で賃上げや雇用安定を訴えた。引き続き、東日本大震災と県北部地震の復興を支えていくことも確認した。 連合長野系の県中央メーデーは長野市城山公園で開き、約4300人が参加。中山千弘実行委員長(連合長野会長)は「政府が志向する強い日本経済は強い日本企業をつくることだ。足元の実感は将来に向けた生活不安が増している」とあいさつ。夏の参院選での自民党一党の勝利阻止を訴えた。 来賓の民主党県連代表、北沢俊美元防衛相(参院県区)は安倍首相らが意欲を示す憲法改正を「戦前の日本に先祖返りするような危険なものを感じる」、社民党県連代表の竹内久幸県議も「平和を脅かす自公政権の在り方を変えるために労働運動が力を尽くすときだ」と述べた。 若手組合員3人が組合のない職場で働く労働者の環境の厳しさや復興支援ボランティア、男女共同参画について意見を発表。「『傷んだ雇用と労働条件』の復元に全力で取り組む」などとする宣言を採択し、市内をデモ行進した。 一方、同市のひまわり公園で開いた県労連系の中央集会は約1500人が参加。「労働者の賃金を上げろ」「TPP(環太平洋連携協定)交渉参加反対」と、シュプレヒコールを上げた。 高村裕実行委員長(県労連議長)は株価が上がり円安シフトになっているというが、私たちの暮らしに景気回復の実感はない―と批判。「国民の懐を温める政策が必要。大企業がため込んだ内部留保を労働者の生活に還元すべきだ」と強調した。 憲法9条を守る県民過半数署名をすすめる会の栗岩恵一局長代行は「今の政権に憲法を変えてよいと白紙委任したことはない。勇気を持って憲法を守る運動に手を取り合っていこう」と訴えた。参加者は「貧困なくせ」などと叫びながら市内をデモ行進した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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