塩尻市や同市農協、洗馬農協などでつくる同市凍霜害対策本部は1日、市内で4月20~22日の降雪や低温による果樹、野菜の被害状況を調べ、被害額を約3億6300万円と算出した。当初は2億円前後とみられていたが、植え替え可能なレタスなども加えた結果、被害額が増大した。 同本部はこの日、市内5カ所の畑を調査。ナシの「豊水」やリンゴの「フジ」の花のめしべの大半が変色しているのを確認し、被害額はナシが約1億4400万円、リンゴが約3900万円と見込んだ。実が付くかどうか判断できない花もあり、被害額が増える可能性もある。 他にブドウが約6300万円、レタス類は約8600万円。桃の花はめしべの3~4割が変色して実がならない状態と判明し、約2600万円と算出した。 調査後の対策会議では、ことし収穫できなくても来年に向けて栽培管理をするよう農家に指導することを確認した。市は農家への助成を独自に検討している。 一方、県農協中央会の大槻憲雄会長ら県農協グループ幹部は同日、中南信地方で凍霜害を受けた農地を視察したり、各農協幹部と意見交換したりした。 意見交換でみなみ信州農協(飯田市)の担当者は、飯田下伊那地方特産の「市田柿」の被害が甚大だと説明。干し柿にできないため「被害額は5億円では収まらない」とした。大槻会長は「想像以上にひどい。こんな被害は歴史上、初めてかもしれない」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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