長野中央署は2日、長野市内の70代女性がうその社債購入を勧められ、現金4530万円をだまし取られた、と発表した。詐欺の疑いで調べている。ことし県警が認知した特殊詐欺で最も高額の被害となった。 同署によると、2月下旬、女性宅に大阪府の証券会社社員を名乗る男から、神奈川県内のエネルギー商社の社債購入申込書などが届いていないか尋ねる電話があった。既に届いていると伝えると、男は「この社債は人気があり、長野地域の人しか買えない」などと話し、申し込んでくれれば証券会社が費用を全額負担した上で、高く買い取ると話したという。 その後にエネルギー商社の「フクイ」と名乗る男から電話があり、社債購入のために証券会社が現金を振り込んだが、銀行口座が凍結されたとし、代わりに現金630万円を送るよう要求された。女性は都内の郵便局私書箱に宅配便で現金を送った。 「フクイ」と名乗る男らは、3月に口座凍結の解除のためとして、4月には「警察ざたになる」などとして、次々と現金を要求。女性は6回にわたり、計3900万円を私書箱に送った。社債発行日とされた4月25日に連絡がなかったことから詐欺と気付き、今月1日に同署に届け出た。(長野県、信濃毎日新聞社)
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