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県内観光地、外国人観光客が戻る

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 大型連休中の県内観光地で、外国人観光客の姿が目立っている。東日本大震災で落ち込んだ来日外国人数が回復傾向にあることや、1ドル=100円近い円安に加え、富山空港(富山市)に昨春就航した台湾定期便も追い風となっているようだ。観光関係者は誘客活動の成果と受け止め、外国人の県内宿泊者数更新にも期待をかける。北陸新幹線の金沢延伸が2年後に迫り、北陸経由の誘客を思い描く人もいる。  「山の景色がきれいで癒やされた」。2日、大勢の外国人観光客でにぎわった松本市の国宝松本城。英国から訪れたリンジー・ピックアップさん(32)は楽しそうに散策していた。松本城管理事務所によると、4月の外国人観光客は1万1296人と、昨年4月(6886人)の1・6倍に伸びた。アジアからに加え、欧米の個人客も増えており、市観光温泉課は「震災の影響が薄れたのに加え、円安の効果も出ている」とみる。  「円安でより質の良い宿泊施設やレストランが利用できる」と話すのは、4月下旬から中央館清水屋旅館(長野市)に滞在した英国人のアドリアン・ローレンスさん夫妻。日本旅行は何度か経験があるといい、円安を歓迎した。  国・地域別の県内宿泊者数で最多の台湾からの観光客数も順調で、人気はこの時期に高さ15メートル超の雪の回廊を歩くことができる立山黒部アルペンルート。関西電力黒四管理事務所(大町市)によると、4月の外国人利用客は台湾を中心に3万2千人余りで、昨年4月から6割近く増え、震災前の水準を上回った。  昨年4月に台湾と富山空港を結ぶ定期便を就航させた台湾の航空会社は、冬季の週2往復を4月15日から週4往復に増やした。  RAKO華乃井ホテル(諏訪市)では、前日に富山県黒部市の宇奈月温泉に宿泊し、同ホテルに来る台湾とタイの観光客らが急増。増便の影響もあるとみられ、同ホテルは「日取り(連休の並び)に関係なく宿泊してくれる外国人ツアーはありがたい」と話している。  北陸新幹線の延伸により、台湾からの観光客の玄関口の一つとなっている北陸地方と県内の時間距離は短縮される。下高井郡山ノ内町湯田中温泉の旅館経営者(38)は「小松空港(石川県)などと、各国への便が乗り入れる仁川空港(韓国)が格安航空便で結ばれれば、海外からの観光客がさらに増えるのではないか」と期待している。  一方、沖縄県・尖閣諸島の国有化などの影響で、中国人観光客は落ち込みが続く。県学習旅行誘致推進協議会によると、台湾から訪れる学校は増え続けているが、中国は昨秋以降途絶えたままだ。  外国人の県内宿泊者数はことし、約30万5千人と過去最多だった2010年を上回るとの期待が広がる。県観光部は「円安もあり、10年を上回る数字を期待しているが、中国のマイナス要因もあってどこまで伸ばせるか不透明。東南アジアへの誘客活動にも力を入れたい」(国際観光推進室)と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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