飯田市本町3丁目に伝わる市無形文化財の「大名行列」が3日、愛知県刈谷市で開かれた「刈谷城築城480年記念大名行列・山車祭」に参加した。本町3丁目の大名行列が地元を離れて本格的な行列を組むのは、93年ぶりに県外に出た昨年9月の山形県河北(かほく)町の「第6回全国奴(やっこ)まつり」以来。刈谷市街地に集まった観光客らを楽しませた。 本町3丁目大名行列保存会の一行45人はこの日朝、大型バス1台で刈谷市へ。午後に披露された2回の行列に出演した。刈谷側は大名行列や山車、みこし、ブラスバンドなど計約500人が列をつくった。これに続いた本町3丁目の会員33人は約50メートルの行列を披露。長さ4・3メートルの毛やりを投げ交わす所作には観客から歓声が上がった。名古屋市から訪れた久野順子さん(76)は「独特の足さばきでゆっくり歩く姿がいい」。 本町3丁目の行列は飯田市街地で7年目に一度開かれる「飯田お練りまつり」の主な出し物の一つ。昨年9月に河北町の奴まつりに出演したのをきっかけに、共に出演した刈谷の大名行列の関係者から今回の出演依頼を受けた。2008年に始まった刈谷の大名行列・山車祭に外部の団体が参加するのは初めて。 本町3丁目大名行列保存会長の大島明さん(75)は「観客からは飯田の行列は静かさの中に荘厳さが感じられるとの感想を頂いた。飯田の行列を知ってもらういい機会になったと思う」。刈谷市大名行列保存会長の渡辺孝さん(78)は「飯田の行列は整然としており、身が引き締まる思いがした」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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