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憲法記念日 県内護憲派熱い訴え 改憲派は集会の動きなし

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 憲法記念日の3日、県内各地で憲法をめぐる集会や署名活動が行われた。「護憲」を目指す県民らは、夏の参院選を前に活発化している改憲論議に危機感を表明。「改憲」が必要だと訴える主な団体は集会などを開かなかったが、代表らは「変化に対応できる憲法に」などと話した。  諏訪市の有志でつくる諏訪地方憲法集会は、憲法9条について考える集会を市内で開いた。元日本兵らの証言を基に制作した記録映画集「日本の戦争」を上映。監督の中津義人さん(66)=東京都=は「9条を守り、不戦の意思を世界に示し続けることが、数々の戦争を経験した日本の役割だ」と訴えた。  北朝鮮との緊張が高まる中で、日本をどう防衛するかとの出席者の質問に、中津さんは「武器があれば増やし、戦いたくなるのが国家。改憲を許さず、武器を捨てて国際世論の支持を得てはどうか」と提案した。  松本市では「憲法施行66周年記念松本市民集会」が開かれた。歴史教育者協議会前会長で憲法会議代表幹事の石山久男さん(77)=同=が講演し、「武力で国家間の問題を解決する時代ではなくなった。日本に国防軍はいらない」などと訴えた。  伊那市内では憲法や原発について考えるシンポジウムがあり、NPO法人チェルノブイリ救援・中部(名古屋市)理事の小牧崇さん(65)=伊那市=らが考え方を報告。信州大名誉教授の野口俊邦さん(70)=同=は、憲法改正の発議要件を緩和する96条の先行改正について「時の権力によって憲法が変えられるようになり、国民が国を縛る現行憲法の仕組みがなくなる」と批判した。  「平和憲法を守る安曇野の会」が安曇野市で開いた講演会では、信濃毎日新聞社の中馬清福主筆(77)が講演。「現憲法がGHQ(連合国軍総司令部)からの押し付けという議論があるが、その時も国会で活発な議論があった。96条の改正よりもまず中身を議論しなければならない」と述べた。  長野市の複数の「九条の会」は同市の善光寺など3カ所で、9条を守ることへの賛同を求める署名集めをした。380人分の署名が集まったが、素通りする通行人も。長野医療生協憲法9条を守る会の原健事務局長(55)は「憲法については、『誰かが決めてくれる』と思っている人が増えている印象。署名を通じて訴えを広げたい」と話した。  都内ではこの日、岸元首相が設立した「新しい憲法をつくる国民会議」の集会が開かれるなどしたが、県内では改憲を目指す主な団体の集会はなかった。  自衛隊を支援する企業経営者らでつくる県防衛協会の加藤久雄会長(70)=長野市=は取材に「時代とともに、変化に対応できる憲法に変えるべきだ」と、憲法96条の改正に賛同。日本維新の会を支援する政治団体「県政連絡協議会」の宮坂雄平会長(79)=松本市=も「多くの国民は、憲法を身近に感じなくなっている」とし、「もっと憲法を分かりやすく考えられるようにするべきだ」と話した。  伝統に基づく国家理念を表した新憲法制定を求める民間団体「日本会議長野」の宮崎一治北信支部長(74)=長野市=は、自民党憲法草案におおむね賛成だとした上で「96条改正は時の政権によって憲法がくるくる変わるのではないかと危惧(きぐ)する」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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