上水内郡信濃町の野尻湖で駒沢大吹奏楽部の学生男女2人が死亡した3日の事故を受け、広瀬良弘学長らが5日、東京都世田谷区の同大で記者会見した。同学長は「皆さまに多大なご心配、ご迷惑をお掛けしたことに深くおわび申し上げます」と陳謝。大学側の責任については「事実がはっきりした段階ではっきりさせたい」と述べた。 会見には久保田昌希副学長、長谷部八朗学生部長も出席。大学側は死亡した学生2人が湖に飛び込んだ際の状況について「7、8人で一斉に飛び込んだようだ」とした。過去にも湖に飛び込んだ学生がいたとの情報があるとした上で「恒例行事と言えるのかどうかは不明」と説明した。事故時の詳しい状況などは「把握できていない」とした。 吹奏楽部顧問に当たる部長の石原孝哉(こうさい)教授が、現地で一部の学生からは話を聞いたものの、学生の動揺が激しく、大学としての調査は進展していないという。今後、カウンセラーとも相談しながら聞き取りを進める方針で、再発防止については「どんな方法で取り組むかを含め検討中」と述べた。 この日、死亡した3年矢田拓也さん(20)の横浜市にある自宅前で、応対した親戚の男性は「そっとしておいてほしい」と語った。死亡した1年野呂千賀子さん(18)の千葉県市川市にある自宅では、遺族関係者の女性が「両親とも取り込んでいて話ができない」と話した。 同大などによると、3日は、合宿に参加した部員73人のうち50人余が複数のボートに分乗して琵琶島に上陸。うち20人余が服を着たまま水の中に飛び込んだ。部員は楽器のパートごとに分かれて遊び、死亡した2人を含む7人はパーカッションの担当だった。 県警、長野中央署が引き続き事故の詳しい原因などを調べている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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