長野市の中山間地で9日、本年度の農家民泊が始まった。初日は大岡、鬼無里、篠ノ井信里(のぶさと)の3地区で実施。大岡地区には、大阪府東大阪市の若江中学校の3年生170人が3~5人ずつ農家44世帯に分かれ、農作業や郷土料理作りなどを体験した。生徒たちは各家庭で1泊し、10日午前に帰路に就く。 農家民泊受け入れのための団体「大岡グリーンツーリズム倶楽部」会長の小林壹男さん(76)=長野市大岡乙=は、男子生徒5人を受け入れた。生徒たちは、長野市西部などで特産の西山大豆の畑を耕運機で耕す農作業を体験した後、山菜の天ぷらやおやきなどを味わった。畑仕事はほとんど経験がないという田中俊輔君(14)は「重くてしんどかった。これで畑一面を耕すなんてすごい」と話していた。 大岡地区で本年度受け入れを予定している農家は80世帯で、年々増加している。小林さんは「受け入れ農家の高齢化が進む一方で、Iターン就農者など新たに参加してくれる家庭も多い」と話す。 長野市内の農家民泊受け入れ組織など15団体でつくる「市子ども夢学校受入れ協議会」(事務局・市農業公社)によると、大岡、信更、鬼無里、篠ノ井信里、芋井、七二会(なにあい)の6地区が昨年度に続いて農家民泊を行う。9月までに関東・関西地方の小中学校約60校計約6千人の受け入れが決まっているという。昨年度は49校7260人が訪れた。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧