2010年に営業を終了した長野市中心市街地の長野ファーストホテル跡地に、本久ホールディングス(HD、長野市)グループの社会福祉法人が、特別養護老人ホームを開設する。同グループは建設資材販売、土木工事、ホテル経営などを手掛けているが、介護事業は初めて。ホテルは取り壊して新たな建物を建設し、来年6月のオープンを予定する。 同HDが長野ファーストホテルの土地と建物を所有者から取得し、土地を社会福祉法人「恵久(けいきゅう)会」に寄贈。新たな建物は、鉄骨5階建て、延べ床面積は4052平方メートルで、8月に着工する。事業費は未定。特別養護老人ホームは定員70人。ショートステイ10床を併設する。外部から人材を招いて運営し、職員60~70人が勤務する予定だ。 長野市の介護保険事業計画などに基づき特養整備が認められたのを受け、2月に恵久会を設立。同HDの加藤久雄会長が理事長に就いた。 旧ホテルは、長野ファーストホテル(長野市)=破産手続き終結済み=が建物を借りて営業してきたが、競争激化などで宿泊客が減少し、10年8月末に営業を終了。本久側に、地元関係者らから既存の建物でのホテル事業の継承を求める声が寄せられた。しかし長野市中心部の宿泊施設は飽和状態と判断。周辺になかった特養の運営に乗り出し、中心市街地の活性化を図る。 同HDグループは、長野市街地でホテル国際21を運営。ホテルのレシピを特養に提供する構想もある。加藤会長は「市街地で暮らしてきた人が入居すれば、これまでと同じ生活空間で暮らせるメリットがある。入居者の家族や友人が訪れ、職員が働くことで街の活性化にもなる」と説明している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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