東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の佐藤仁(じん)町長(61)が14日、諏訪郡原村役場に清水澄村長を訪ね、職員を派遣してもらったり、救援物資を送ってもらったりした礼を述べた。住民同士も行き来して交流が生まれており、双方から姉妹都市になってはどうか、との提案が出た。 震災時、町防災対策庁舎の屋上で津波に遭った佐藤町長は「最初はこの災害をどう乗り越えたらいいか分からなかった」と振り返った。現在は高台20カ所を造成し公営住宅930戸、一般住宅1100戸を建設する計画が進んでいる。「ご支援のたまもので、復興した姿を見せられる。つらい経験だったが、原村との絆が強まった」と話した。 清水村長は「これを縁に姉妹都市や災害時応援の協定を結べるといい。長い付き合いをしたい」と提案。佐藤町長も、町民から姉妹都市の提案がある、と応じた。 原村職員や村民有志は2011年5月、南三陸町で医療支援をした茅野市の医師の紹介で、救援物資を同町に届けた。職員が避難所に泊まり込んで交流もした。リフレッシュのため同町民を村有施設で受け入れ始め、これまでに10回、延べ144人が訪れた。 町は3千世帯が津波で被災したため、住宅を高台に移転させるが、予定地で埋蔵文化財の調査が必要となっている。全国町村会を通じ、原村は昨年10月、30歳代の文化財係職員を町に派遣し、本年度も調査に当たっている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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