15日午前3時9分ごろ、長野市津野の八幡(はちまん)神社が燃えている―と、近くにある国道18号沿いの飲食店の客が店を通じて119番通報した。木造平屋トタンぶきの拝殿と神殿の延べ85平方メートルを全焼、近くの倉庫の壁も焼き、2時間余りして消し止められた。けが人はなかった。市消防局によると、拝殿内部の焼け方が激しかった。長野中央署は、普段火の気がないことから失火と放火の両面で調べている。 神社は地元津野区(約70戸)の住民でつくる氏子らが管理。区長の山本英章さん(64)は3時すぎに住民からの連絡で出火を知り、神社に行くと、「高く火柱が上がり、バチバチと音を立てて燃えていた」という。 神社に管理人などは常駐していない。4月初めの春祭り以降は氏子らが集まる機会はなく、普段は人けが少なかったいう。氏子総代の原山征人(まさと)さん(68)は「大切な氏神様が焼け落ちてしまった」と残念そうに話した。15日午後にも氏子による対策会議を開き、再建など今後の対応を話し合う。 現場は国道18号から東に200メートル程度入った農村地帯。周囲にはリンゴ畑や保育園があり、集落からは数百メートル離れている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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