国土交通省は16日、国道20号「諏訪バイパス」の未着手区間(諏訪市―諏訪郡下諏訪町・約11キロ)で本年度、事業化に向けて概略ルートや構造案を検討する「計画段階評価」の手続きに入ると発表した。同バイパスは、1971(昭和46)年に事前説明なくルートが発表されたことに地元住民が反発、計画は事実上止まった状態だったが、40年以上を経て「再始動」することになった。 諏訪バイパスは、国が61年、新道路整備5カ年計画に盛り込んだ。81年の中央道諏訪インターチェンジ(IC)開通に合わせ、同IC周辺を先行的に整備。現在は3・2キロが暫定的に開通している。 国は71年にルート案を公表したが、住民の反対が強まり、旧建設省が91年、ルート案の白紙化を表明。市は地元説明会を重ね、94年には独自に予想ルートを示すなど、国に建設促進を働き掛けてきた。現在は「大きな反対の動きは見られなくなった」(市関係者)という。 国交省長野国道事務所(長野市)は、市が予想ルートを示したことも踏まえ、計画段階評価で「複数案を評価し、ルートを一つに絞る」と説明。順調に進めば、都市計画変更や環境アセスメント調査を経て、新規事業採択時評価で費用対効果を検証。新規事業化するかを決める。 また、同省は本年度実施する直轄事業の個別事業配分(箇所付け)で、下諏訪岡谷バイパス第1工区(1・7キロ)の設計費や岡谷ICから塩嶺峠方面にかけて建設する橋(0・8キロ)の工事費に3億円、茅野市の坂室バイパスの現道拡幅区間(0・7キロ)の設計費などに1億5千万円を配分した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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