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軽井沢にリンゴの花 ブランド化見据えホテル挑戦

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 北佐久郡軽井沢町発地(ほっち)の「ホテルバーモラル軽井沢」の庭で、同町では珍しいリンゴが花を咲かせている。「軽井沢では寒くてリンゴを育てるのは難しい」と地元で言われてきたことから、ホテルは「ならば育ててみよう」とあえて挑戦。2年前から主に「ふじ」を同郡立科町や小諸市から移植してきた。現在28本。昨年、一昨年とも実がなり、将来は軽井沢産リンゴとしてブランド化しようとの夢を描く。  高原野菜の栽培が盛んな軽井沢町だが、県佐久農業改良普及センター(佐久市)やJA佐久浅間によると、販売を目的にした果物の栽培はブルーベリーなどのベリー類だけ。市街地が標高900~千メートルの寒冷地で、リンゴ栽培には適さないとされてきたが、同センターは「温暖化の進行、リンゴの品種が増えたこともあり、これからは生産できる可能性もある」とする。  センターによると、春が遅く、寒さが厳しくなるのが早い地域ではリンゴが成熟するまでの期間が足りなかったり、夏場の気温があまり上がらないと木が冬を越すための養分が十分に蓄えられなかったりする。  気象庁による軽井沢の観測データをみると、1年平均気温は、1964~73年の10年間の各年は7・4~8・2度、2003~12年の10年間は8・1~9・2度の範囲で推移。最低気温の年平均は、1964年から10年間が2・1~3・4度、2003年から10年間は3・3~4・4度で、温暖化の傾向をうかがわせている。  同ホテルは、庭の2カ所に樹齢6、7年の木を中心に毎年10本ずつ植えてきた。計30本の内訳はふじ28本とシナノゴールド2本。ふじ2本が病気で枯れた他は、育っている。たくさん実を付けると木の負担が大きいため、今はまだ摘花や摘果で調整し、収穫用の木を絞っている。ことしはふじ7本から収穫する予定で、17日まで約1週間かけて授粉作業をした。  一昨年はカラスの被害で壊滅状態だったというが、昨年はネットで覆い、4本に計約450個が実った。得意先、同じ企業グループの旧軽井沢ホテル(軽井沢町軽井沢)周辺の事業所などに配った。  リンゴの管理を担当する社員の篠原光一さん(40)は「普通に管理しているが、肥料の配合なども工夫してもっと丈夫な木にしたい」と、ブランド化を見据えて張り切っている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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