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県、重要品目公表見送り 「TPP関税撤廃」農業影響

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 県は20日、日本が環太平洋連携協定(TPP)に参加し関税を全面的に撤廃した場合の県内への影響試算を公表した。県内の農業生産額への影響は、コメや畜産業を中心に2738億円(2010年)から500億円弱減少すると試算。最終調整した結果、コメ、麦、牛・豚肉、乳製品などの重要品目は政府が「聖域」として関税撤廃の例外とする方針であることから公表を保留し、その他のリンゴや鶏肉など4品目について計34億円減少するとした。  TPPなど国際的な経済連携への対応を協議するため庁内に設置した対策会議で明らかにした。県内経済全体への影響は、10年度に実質8兆9056億円だった県内総生産を10年間で681億円押し上げる効果があると見込んだ。  農業生産額への影響は、政府が試算の考え方を公表した対象農産物19品目のうち県内で生産されているコメ、小麦、大麦、加工用トマト、リンゴ、生乳、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵の10品目を選んだ。影響額を示した4品目は、加工用トマトが6億円減(生産額6億円)、リンゴ20億円減(同244億円)、鶏肉5億円減(同24億円)、鶏卵3億円減(同20億円)。  県内総生産の押し上げ効果は、消費が493億円、輸出は458億円、投資は76億円のプラス効果を見込む一方、価格の安い海外農産物や製品の輸入で345億円のマイナス効果が出るとし、差し引き681億円の増加とした。  阿部知事は会合後の取材に「私は(TPP参加に)慎重な立場」とした上で、重要品目の試算公表を見送ったことについては「全く何らの措置が講じられない前提で試算をするのは実態と違うものになる」と説明した。  県内影響額は政府が3月公表した試算方法を基に算出。政府試算は経済全体で消費が3兆円、輸出が2兆6千億円、投資が5千億円で計6兆1千億円のプラス影響を見込む一方、安価な製品の輸入で2兆9千億円のマイナス効果があるとし、差し引き3兆2千億円の実質国内総生産(GDP)増加を見込んだ。農業生産額は関税をすべて即時撤廃し追加的な国内対策を考慮しない前提で、約7兆1千億円から3兆円減少するとした。(長野県、信濃毎日新聞社)


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