戸倉上山田温泉旅館組合連合会(千曲市)が、毎月26日を「ふろの日」とし、加盟旅館の浴場に無料で入れる取り組みを始めた。開湯から4月で戸倉温泉が120周年、上山田温泉が110周年を迎えたのに合わせて企画。入湯客に街を歩いてもらって、にぎわいを生みだし、各旅館の利用者増にもつなげる狙いだ。 無料入湯は、宿泊客の利用と重ならない午後零時半~3時に限定。利用客は千曲市総合観光会館で受け付けを済ませ、配られた無料入浴券を持参すると、加盟旅館28軒(一部利用不可の場合あり)で入浴できる。 無料入湯は同連合会を中心とする実行委員会が企画した。4月21日の「開湯記念祭」に合わせて同様の試みをしたところ、266人が利用。初回の同26日は422人が入浴した。千曲市民を中心にPRし、複数の旅館を回った人もいるという。 また、温泉街全体のにぎわいを生み出そうと、当日は駐車場を各旅館ではなく、受け付け場所の総合観光会館前に設定。地元飲食店約20軒も、入浴券持参で食事した人にアイスクリームの提供や食事の増量などをする「ちょこっとサービス」を展開し、温泉街の散策を楽しんでもらう。 同市観光課によると、2012年度の戸倉上山田温泉の入湯客数は63万3200人余で、ピーク時(1979年度)の半分以下にとどまる。同連合会の武井功事業委員長は「訪れやすい地元住民の新規顧客を開拓したい」と説明。無料入湯をきっかけとした宿泊や忘年会の利用増や口コミによる宣伝効果も期待する。 無料入湯は9月までの予定。10月以降の継続も検討する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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