県、佐久市、JR東日本による初の「移住お試しツアー」が25日、2日間の日程で始まり、首都圏の中高年29人が同市を訪れて移住者の体験談を聞いたり、滞在型市民農園を見学したりした。ツアーは、3者が2月に提携した同市への移住促進連携事業の第1弾。同社によると、募集1週間余で定員が埋まり、キャンセル待ちも出たという。 移住セミナーが開かれ、2011年に神奈川県茅ケ崎市から移住した山村通夫さん(58)が、寒い佐久の冬も楽しく過ごせるまきストーブの生活などを紹介。「移住先で何をやりたいか意識を持つことが大事」と助言した。年間日照時間が全国トップクラス―といった市の特徴や住宅物件に関する説明もあった。車座での質疑では「短期の田舎暮らしが体験できる施設がたくさんあるとうれしい」といった声が上がった。 参加した千葉県山武市の公務員小松利一さん(55)は「体験談を話す移住者の生き生きとした生活が印象的だった」。神奈川県鎌倉市の若林勝子さん(70)は娘夫婦を呼び寄せることも想定して地方で土地を探しているといい、「こうした(3者の)取り組みはありがたい」と話した。26日は森林セラピー体験や山菜採りなどを予定している。 JR東日本が4月下旬、運営する「大人の休日倶楽部(くらぶ)」の首都圏の会員約55万人にチラシを配ってツアー参加者を募った。8月に2回目が予定されている。佐久市は、移住希望者の受け入れ態勢強化のため、市内の各種団体と協力した「田舎暮らし佐久支援センター(仮称)」の設立準備も進める。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧