北アルプス・上高地(松本市安曇)に入る前の観光客に自然利用のマナーを伝える環境省の沢渡ナショナルパークゲート(同)は20日、同施設から上高地へのシャトルバス内でガイドによる説明を試験的に行った。上高地ネイチャーガイド協議会のガイドが無償協力。ガイドが同乗する試みは本年度は今回だけ。同省と同協議会はこの日の客へのアンケートを踏まえ、来年度に本格的に導入する方針だ。 施設は観光バスやマイカーの客がシャトルバスに乗り換える拠点として整備され、今夏に試験運用を開始。2014年度までに周辺整備が完了する。観光客らは施設内で乗り換え前に利用マナーを伝える3分間の映像を見ていたが、地元宿泊業者らには上高地の自然やそれを守る活動に関する情報伝達が不十分との声もあった。 この日はガイド5人が1人2回ずつバスに同乗。上高地までの約30分間、「猿に餌をあげないでください」と呼び掛け、紅葉した木々の種類や車窓から見える焼岳を説明した。上高地は初めてのパート社員古波蔵(こはぐら)久美代さん=千葉県四街道市=は「マナーを守らなければならない理由がよく分かったし、上高地に入る前にわくわくした気持ちになれた」と喜んでいた。 同協議会の石塚聡実さん(47)は「本格実施に向け、観光客がバスを降りた後の案内もできるか考えたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧