松本市梓川地区体育協会などは21日、「梓川山田杯閉幕記念マラソン大会」を同地区の10キロコースなどで開いた。郷土の名選手にちなんで「山田杯」を冠し、半世紀以上続いた大会の最後。出場した980人の選手や主催関係者は楽しませてくれた大会に感謝しつつ、閉幕を惜しんでいた。 大会は、旧南安曇郡梓川村出身の山田俊(たかし)さん(昨年12月死去)が1955(昭和30)年に陸上1500メートルと2千メートルで日本新記録を樹立したことを記念し、57年に「山田杯争奪マラソン大会」として開幕。名称を変えながら続き、昨年第55回に。来年度、大会事務局の市梓川支所の職員が大幅減となることなどから開催継続を断念した。 21日は2~10キロの各部門を選手が駆け抜け、ゴール後は例年通り、梓川中学生ら地元ボランティアが豚汁やりんごジュースを振る舞ってねぎらった。正午前、最後のランナーがゴールするとスタッフらが拍手。花岡良行実行委員長(69)が「これまで参加した延べ2万人以上の選手の皆さま、本当にありがとうございました」とあいさつした。 会場の一角には大きな布が用意され、選手らが寄せ書き。松本大4年の北村健(たけし)さん(22)=安曇野市豊科=は「高1のときからずっと参加しています。ありがとうございました」と書いて名残を惜しんだ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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