イオン(千葉市)傘下のイオンモール(同)は27日、松本市街地の大型ショッピングセンター「松本カタクラモール」一帯の6・25ヘクタールを、所有する片倉工業(東京)から賃借して再開発し、「イオンモール東松本」(仮称)を出店する、と発表した。2016年秋にオープン予定。店舗面積やテナント数は未定だが、城下町の町家をイメージした外観など「景観や街並みに配慮した計画を進める」(広報部)とした。 イオンモールは同日、「基本的な考え」として、本棟の他、回遊路を設けて町家のような複数の建物を並べる店舗配置案を示した。再開発に関して松本市はこれまで、歴史や景観などの地域特性、市街地の商業と共存できる適正規模といった観点を配慮するよう要望。同社はこれらを「重視していく」と強調した。 片倉工業によると、現モールは、イオン東松本店を中核としたテナント計37店舗との賃貸借契約が切れる15年3月で営業を終える。賃貸借契約は締結済みで、建物解体後、同年夏ごろに土地を貸し出す見通し。JR松本駅の他、松本城や市美術館など観光スポットも近く、イオンモールは「観光客も含め幅広い地域から集客が期待できる」としている。 この日会見した松本市の菅谷昭市長は「(市側の)主張が取り入れられるよう、十分に協議を重ねていきたい」と強調。両社も市と協議する場の設置を検討する方針だ。 片倉工業は、予定地に含まれる関連会社「カフラス」などの昭和初期の建築物は、先行して解体する可能性があるとしている。片倉工業は今回の敷地に隣接する2・31ヘクタールについても再開発を構想している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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