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シカ目撃 昨年度23件 北アルプス 高山植物への影響懸念

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 北アルプス一帯で2012年度に目撃されたニホンジカの情報が23件(鳴き声1件含む)あったことが28日、環境省のまとめで分かった。同省や県、林野庁、地元市町村でつくる「北アルプス山麓ニホンジカ対策連絡会議」が安曇野市内で開いた会合で報告された。上高地の入り口・釜トンネル付近や標高2千メートルを超す地点での目撃情報もあった。同省松本自然環境事務所(松本市)は「高山植物に被害が出るのは時間の問題」とし、捕獲に力を入れる必要性を訴えている。  12年度に環境省、中信森林管理署(松本市)、関係各県などが把握した情報を同省がまとめた。鹿島槍ケ岳と針ノ木岳の間にある鳴沢岳付近の標高2484メートルで昨年7月に目撃されたのが最高地点だった。周辺にはアザミを食べたと思われる痕跡も残っていた。  上高地周辺では、焼岳の麓にある釜トンネル入り口付近で6、7月にそれぞれ1回ずつ目撃され、10月には槍ケ岳や奥穂高岳への登山基地になる上高地・横尾でニホンジカと思われる鳴き声が確認された。乗鞍岳や白馬岳の山麓に広がるスキー場などでの目撃情報も比較的多かった。  環境省は、目撃頻度などを基準に植生へのリスク(危険度)を低い方から1~4に分け、それぞれの段階に応じた対策を定めている。現在の北アの危険度は「1」で、移動経路の把握や山麓での捕獲が対策となる。  同連絡会議のこの日の意見交換では、生息密度が低い山麓で効率的に捕獲するため、衛星利用測位システムを利用したり、塩で誘ったりする方法を試行した経過報告もあった。県は「被害発生の前に対策を取るのは全国的に珍しい。この地域にニホンジカを入れず、入った個体は徹底的に捕獲することが大切になる」とした。(長野県、信濃毎日新聞社)


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