諏訪郡下諏訪町の下諏訪町木遣(きやり)保存会(浜章吉会長)は本年度、保存会内に町内の小中学生対象の「子どもの部」を新設する。学生の会員は現在高校1年生の1人だけで、後継者不足が課題となっている。3年後の2016年に迫った諏訪大社御柱祭に向けて若手の育成に力を入れようと、子どもの部は会費無料とする。 保存会によると現在の会員は72人で、このうち10、20代は計5人にとどまっている。若手は入会費と年会費(共に3千円)が負担になったり、進学を機に練習から遠ざかったりする例があるという。 保存会は今月16日、諏訪大社下社に建てる御用材候補を選ぶ「仮見立て」で木遣りを披露。その後、保存会の活動を知った地元の児童から「木遣りを教えてほしい」との要望が寄せられたこともあり、気軽に木遣りを学べる態勢づくりに取り組むことにした。 近く保存会の活動を紹介するチラシを町内の小中学校に配り、子どもの部への入会者を募る。事務局長の小口典久さん(48)は、保存会結成50年の節目だった昨年、下社の木遣りが町無形文化財に指定されたことも踏まえ、「伝統の技の継承に力を入れたい」と話している。 保存会は昨年初めて開いた「全国木遣りサミット」を、ことしも9月23日に町総合文化センターで開く予定で、子どもの部の会員も出演する。また、富山市八尾町に伝わる伝統行事「おわら風の盆」の地元保存会員を招き、踊りを披露してもらうことも計画している。 子どもの部への入会の問い合わせは保存会事務局(電話0266・28・1282)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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