諏訪郡富士見町教育委員会の小林洋文教育長は28日、町役場で記者会見し、同町富士見中学校3年の男子生徒(14)が17日に自宅で自殺したとみられる問題をめぐり、学校でのいじめの有無を含め、原因や背景を探るために設ける調査委員会の委員7人を発表した。県内の弁護士や医師ら外部の専門家6人と小林教育長で構成。「速やかに調査を始めたい」としている。 外部委員は、いずれも諏訪地方の事務所で活動する毛利正道、北川和彦、三井智和の各弁護士と、原田謙(ゆずる)・信州大付属病院子どものこころ診療部副部長(児童精神科医)、鷲塚伸介・信大医学部准教授(精神科医)、工藤哲也・県臨床心理士会長。 毛利弁護士は1992年に起きた飯田高校生徒刺殺事件をめぐり、県教委が設けた検証委員会の委員長を務めた。鷲塚氏については、死亡した男子生徒の遺族が選任を希望したという。 小林教育長によると、人選はこの日、遺族にも示して了解を得た。調査の日程や手法は未定としたが、同教育長は「客観的に調査してもらえる方を選んだ。専門家の力を借り、真相を全面的に明らかにしたい」と述べた。また、調査結果をまとめる時期について「私としては年内などと、のんびりした考えは毛頭ない」とした。 男子生徒の死亡について、両親はこれまで「自殺は校内でのいじめが原因と受け止めている」としている。教育長の会見後、男子生徒の母親は取材に「一番心配し、焦りを感じるのは、他の生徒らの記憶が風化してしまうこと。一刻も早く調査して結果を出してほしい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧