茅野市長峰中学校教諭の上條敬治容疑者(41)=諏訪市湖南=が、インターネットの出会い系サイトで知り合った当時中学2年の少女を買春したとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童買春)の疑いで逮捕された事件をめぐり、同市教育委員会に5月中旬以降、「長峰中の音楽教員が援助交際をしている」との匿名の電話があり、校長が4回にわたり上條容疑者から事情を聴いていたことが31日、分かった。同容疑者は否定を続けたという。 岡谷署は同日、上條容疑者を地検松本支部に送った。不祥事の多発を受け、教員の資質向上が議論されていた昨年11月に同容疑者が犯行に及んでいたことに、教育関係者に衝撃が広がった。 茅野市の牛山英彦教育長によると、電話は5月14日に女性の声で市教委にかかった。女性は教員の名前は知らないとしたが、同21日に再度電話があり、「音楽の先生だと分かった」と話したという。同校の音楽教諭は上條容疑者1人で、羽生武彦校長が問いただしたが「心当たりがない」と否定したとしている。 羽生校長は同29日、電話の指摘が事実でないなら警察に対処を相談すべきだと助言。同容疑者は「一晩考えさせてほしい」と答えたが、翌30日朝になって電話で「年休(年次有給休暇)を取らせてほしい」と申し出た。岡谷署は31日午前0時すぎに同容疑者を逮捕した。 学校側によると、上條容疑者は2009年4月から同校に勤務。現在は3年生の担任と学年主任を務め、吹奏楽部の顧問もしている。勤務態度は「勤勉で真面目」(羽生校長)といい、指導方法をめぐる苦情などは聞いたことがないという。 羽生校長は31日午後、授業が休みだった1年生を除く2、3年生計約270人に上條容疑者が逮捕されたことや容疑を説明。部活動は中止し、下校を指示した。同日夜は保護者向け説明会も開いた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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