県は2日、牛海綿状脳症(BSE)の全頭検査を撤廃して対象を「生後48カ月超」に限定する方針について、初めての県民向け説明会を松本市内で開いた。行政職員や消費者、小売業者ら計約100人が出席し、県の方針に異論は出なかった。終了後の取材に県食品・生活衛生課の高木正明課長は「方針への理解が広がってきている」との認識を示し、全頭検査撤廃の見通しが強まった。 厚生労働省は4月、7月1日から検査への補助を生後48カ月超に限定するとし、全頭検査をしている全国の自治体に見直しを要請。牛の食肉処理施設を持つ44都道府県で、継続方向で検討している自治体はない。長野県は阿部守一知事が関係省令改正を受け最終判断する。 この日は、内閣府食品安全委員会と厚労省の職員も出席し、飼料規制の効果で2002年2月以降に生まれた牛からBSE発症が確認されていないことなどを説明。「検査対象を生後48カ月超にしても人への健康影響は無視できる」と検査方針転換に理解を求めた。 質疑応答では、生活協同組合コープながの理事の重千富(しげちとみ)さん(57)=塩尻市=が「一般消費者にも広く説明してほしい」と要望。高木課長は「県政出前講座などで説明に努める」と応じた。 高木課長は説明会後、「思ったより反対はなく、理解されていると感じた」と説明。この日集めたアンケート結果も阿部知事に報告し、判断に役立てる考えだ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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