県は3日、全県で農作物に被害が出た4月の凍霜害について、新たな被害金額をまとめていると明らかにした。県はこれまで同月の被害額を全県で17億円余としていたが、県農政部によると、現在、被害額が拡大するとみられる果樹を中心に市町村からの報告を精査しており、さらに膨らむ見通しだ。 農政部は4月26日、県内全域で同22日に発生した凍霜害の被害額を果樹を中心に計16億4300万円と発表。5月下旬以降にリンゴやナシなどが実を付けたことで被害の全体像が分かるようになった。今回の再集計では4月22日分に加え、同月12、13、23、29日の計5日分の凍霜害による減収額を集計している。同部は5月31日現在の被害額を県内10地方事務所を通じて市町村から集めている。 共産党県議団がこの日、阿部守一知事に対応充実などを求めた際、同部の担当者は「被害発生から1カ月ほど経過し、果樹の生育状況が大分見えてきた。5月末を一つの基準として追跡調査をしている」と述べた。阿部知事は「できることを最大限やっていく。農政部も今までの枠組みにこだわらずに取り組んでほしい」と指示した。 中野市では3日の6月定例市議会で、アスパラガスとシャクヤクで約1200万円としていた農業被害について、池田茂市長が「果樹全般にも多大な被害が発生した。再調査の結果、被害額は計約1億700万円になった」と報告した。市によると、リンゴや桃、梨、プラムなど果樹の被害が、成育が進むに従って明らかになった。 具体的な被害が明らかになっていなかった下高井郡山ノ内町の志賀高原農協も、リンゴやプラムを中心に「被害額は1億円を超えそう」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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