日銀松本支店は5日、6月の県内金融経済動向を発表した。県内経済の総括判断は「下げ止まっている」とし、「下げ止まりに向けた動きが広がっている」とした前月から判断を引き上げた。上方修正は3カ月連続。松下顕支店長は「生産と輸出に下げ止まりの動きが定着している。(回復の)ペースは緩やかだが底堅く、底を打った傾向が見られる」とした。 半導体関連や電子部品は、スマートフォン(多機能携帯電話)向けなどの在庫調整が進んでいるほか、一部に需要回復の兆しがある。自動車関連も、中国向けの減産の影響が和らぎ、北米需要も堅調なため生産が下げ止まっている。成形機も中国向けに回復傾向が見られ、生産が持ち直しつつある。 県内大型小売店は、天候不順の影響で春物商戦が低調に推移し、売り上げが前年を下回ったが、松下支店長は「5月に入って暖かくなっており(個人消費の底堅い)トレンドが低調に向かうことはないだろう」と述べた。 先行きについては「慎重に見る必要はあるが、夏から秋口には(企業活動が上向く)転換点が期待できるのではないか」と見通した。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧