県は5日、独自に制定を検討している「山の日」について、有識者から意見を聞く懇話会の初会合を県庁で開いた。山小屋、林業、観光などの20人が課題や期日などについて意見を交わし、制定に向けた議論が本格化した。阿部守一知事はあいさつで「県の基本的な価値である山について、県民と一緒に考え親しむ日として検討していく必要がある」と述べた。 県は今回含め2回程度意見を聞き、夏にも案を示し来年度から実施したい考え。 会合では、山の日の趣旨として身近な里山から3千メートル級の山岳まで幅広い山や森からの「恵み」を再確認し、感謝する―との方向性を確認。期日をめぐっては、超党派の国会議員連盟が来年の通常国会に「山の日」を祝日にする法案の提出を目指していることなどを踏まえ、「県が異なる日に設けると意味が薄れる」(牛越徹・大町市長)との意見と、「県は別の日にして、山と共に生きる県民の意義を明らかにするべきだ」(田中勝已・木曽郡木曽町長)との両論あった。 懇話会座長に就いた鈴木啓助・信州大山岳科学総合研究所長は会合後の取材に、個人的意見とした上で「国レベルで(7月の)海の日に山の日を(祝日として)一体化してもらい、県独自の山の日は別に設けるのがいいのではないか」と話していた。県森林政策課によると、全国の26府県が「山の日」や類似した日を既に定めている。県内では、北安曇郡松川村が5月第3土曜日を山の日としている。 懇話会の他のメンバーは次の通り(敬称略)。▽北アルプス山小屋友交会長 赤沼健至▽登山家 井上のぞみ▽日本山岳会信濃支部 垣内雄治▽蝶ケ岳ヒュッテ代表 神谷圭子▽北アルプス登山案内人組合連合会 木谷功七郎▽県中学校長会 神津長生▽八ケ岳観光協会長 島立健二▽根羽村森林組合 杉山紘子▽信州・県観光協会専務理事 塚田英雄▽クッキングコーディネーター 浜このみ▽県木材協同組合連合会理事長 細川忠国▽北アルプス北部山小屋組合代表 松沢貞一▽県経営者協会専務理事 水本正俊▽県山岳協会長 宮本義彦▽ライター 山本佳子▽八ケ岳山岳ガイド協会長 米川正利▽県自然保護連盟理事長 渡辺隆一(長野県、信濃毎日新聞社)
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