小諸市教育委員会事務局が、1学級に2人の担任教員を置く「複数担任制」導入を検討し始めたことが6日、事務局などへの取材で分かった。柳沢恵二・市教育長によると、市内全6小学校の1年生の全学級への導入を検討中で、実施時期は未定。同事務局によると、小学校低学年を対象に「複数担任制」を実施している埼玉県朝霞市の事例などを参考にしており、「まだ全国的にも導入例は少ないのではないか」としている。 現段階では、定年退職後の教員経験者(教員免許状等のある人)を市費で雇用し、各学級に常時配置する考え。学級担任の通常の仕事をサポートする役割を担い、必要に応じて児童に対する個別のケア、指導などをする。 同教育長らによると、市内小中学校では軽度発達障害の児童の増加に合わせ、学校生活の手助けをする「支援員」(教員免許状等の有無は不問)を増員しており、現在23人。「対症療法として増やしてきている」(柳沢教育長)ことから、より有効な対応として、学校生活の入り口となる小学1年生の段階で手厚いケアができる態勢を取れないか検討することにした。 現場の教員からも「複数担任制」導入を希望する声が出ているという。 現在1年生は6校計14クラスで、人材確保が課題になるとみられる。柳沢教育長は「市在住者だけで14人を集めるのは至難の業」とし、近隣市町村まで募集範囲を広げる必要があるとみている。 同教育長は6日の市議会6月定例会一般質問で、導入について聞く小林重太郎議員の質問に対し「前向きに検討している」と説明。「費用対効果などを研究し、市長部局と十分に協議していきたい」と述べた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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