須坂市と上高井郡小布施町、高山村の3市町村や、地元の医師会、病院などでつくる須高地域医療福祉推進協議会は、終末期医療に対する自分の考えを記入できるカードを作り、無料で配布している。最近、自身の最期をどのように迎えるかに関心が高まっている。法的な拘束力はないが、家族が迷わないようにするためにも、意思表示の手段をつくろうと作製した。 カードは紙製で、名刺ほどの大きさ。裏面に「心臓マッサージなどの心肺蘇生」「延命のための人工呼吸器」「人工透析の開始」「鼻チューブによる栄養補給」など7項目が箇条書きになっている。それぞれ、横には「して欲しい」「して欲しくない」などと記され、どちらかを選んでチェックを入れる。名前、年月日を記入する欄もある。 同協議会事務局の須坂市健康づくり課によると、協議会が昨年11月に開いたシンポジウムの際に実施したアンケート(回答93人)でも、87・1%が、終末期医療に対する生前の意思表示に関心があると答えた。協議会に参加する医療機関の関係者にも、終末期医療の現場で患者本人の考えが分からず対応に迷うことがある―との声があるという。 カードは4月に千枚作った。同課などで配布しており、「本人だけでなく、家族がどう考えるかも大事。カードに記入する際には、家族で十分に話し合ってほしい」としている。 県内では他に、茅野市を拠点に活動している「いのちの輝きを考える会」が、不治や末期の状態に陥った時に延命治療を拒否する「尊厳死の意思表示カード」を発行している。 同協議会への問い合わせは須坂市健康づくり課(電話026・248・9101)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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