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西駒山荘の石室 文化財に 伊那市が国に現地調査打診

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 伊那市が中央アルプス将棊頭(しょうぎがしら)山(2730メートル)に所有する山小屋「西駒山荘」の石室(いしむろ)について国の登録有形文化財への登録を検討し、国側に現地調査を打診していることが19日、分かった。同山荘は、小説「聖職の碑(いしぶみ)」で知られる1913(大正2)年の中ア駒ケ岳遭難の2年後にできた石室が原型。遭難から100年のことし、市は山荘を改築するが石室は保存する。遭難の教訓や石室の歴史、価値を全国に発信する考えだ。  同年8月、学校登山で駒ケ岳を目指した中箕輪尋常高等小学校(現上伊那郡箕輪町箕輪中学)の生徒や教師らが暴風雨に遭い、11人が死亡した。2年後、山麓の住民らが将棊頭山直下の水場近くに避難用石室を造ったのが小屋の始まりで、戦後に登山者の増加で増築した。  今回の山荘改築は入札を経て7月に着工し、11月完成の見通し。現在の平屋から2階建てになり、新装オープンは来年7月12日を予定している。石室は登山学習や交流スペースとして活用する方針。市によると、改築のために19日現在、全国から217件、661万円余の寄付が寄せられている。市商工観光部は「全国のファンの期待に応えるため、登録に向けて検討を進めていきたい」としている。  登録有形文化財は、観光資源などとして活用しながら保護を図る。現状変更に厳しい制約がある国宝など指定文化財に比べ、外観や内装を変更する際の規制が緩い。建造物は築後50年で対象となり、自治体からの情報を基に国が候補を選定、文化審議会の答申を経て登録される。県内の山小屋では北アルプスの徳本(とくごう)峠小屋休憩所などが登録されている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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