県は21日、県短大(長野市)を四年制化する新たな県立大の基本構想案について、阿部守一知事が訪問した松本大(松本市)に加え、諏訪東京理科大(茅野市)、長野大(上田市)、清泉女学院大(長野市)にも和田恭良副知事や高田幸生総務参事(県立大学設立担当)が出向き、同案に理解を求めた。 説明に出向いたのは、新県立大をつくる場合、学部学科が競合しないよう求める要望書を昨年6月に県に出した4大学。諏訪東京理科大の河村洋学長は副知事との会談後に取材に応じ、経営系の県内私大学部・学科への影響が大きいとして「基本構想案には同意できない」と述べた。 阿部知事は同日夜、取材に対し「各私大の懸念をしっかりと受け止めて、県内高等教育全体の振興を図っていく」と強調した上で、速やかに県として構想を正式に決定する考えを重ねて示した。 一方、松本大と歩調を合わせてきた松本市は同日、幹部職員を県庁に出向かせ、新県立大について「性急に進めることなく、あらためて県民に広く意見を求め、知事自身の責任で慎重に判断する」よう求める菅谷昭市長名の要望書を知事宛てに提出した。 構想案によると、経営系が主体の総合マネジメント学部(定員160人)は、企業経営向けの「グローバルビジネスコース」と、自治体や地域社会づくりでの人材を育成する「公共経営コース」を設ける。健康発達学部(80人)には、管理栄養士受験資格が得られるコースを含む「健康文化」と、保育・幼児教育向けの「こども」の2学科を設置する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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