極度の疲労や痛みなどを抱える疾患「慢性疲労症候群(CFS)」への理解を広めようと、患者による報告を聞き、CFSをテーマにした英国のドキュメンタリー映画を見る会が23日、長野市生涯学習センターで開かれた。県内の患者の支援者らでつくる実行委員会が企画し、県内外から50人余が訪れた。 患者会のNPO法人「筋痛性脳脊髄炎の会」(東京)によると、CFSは健康的な生活を送っていた人が、神経系や免疫系などの異常により、激しい疲労感、頭痛、筋肉痛などが半年以上続く病気で、国内の患者数は推定約36万人。国際的には「筋痛性脳脊髄炎」との名称が広く使われているという。 患者による報告で、同会の理事長を務める篠原三恵子さん(55)=東京都=は、ストレッチャー状の車椅子に横になった状態で「通常の検査では異常が現れず、『怠けている』という烙印(らくいん)を押されてしまう」などと説明、正しい理解を求めた。 患者の森住未有希さん(39)=上田市=は体調が悪く会場に来られなかったため、5月に書いた原稿を実行委員が代読した。森住さんはほぼ寝たきりの状態で、診断する医師が見つからず、対象となる福祉制度もない時期があったとし、「県内で診断する医療機関を設け、福祉サービスを受ける手続きができるようにしてほしい」と訴えた。 映画「闇からの声なき声」(2011年)では、精神疾患として扱われて容体が悪化した重症患者5人や家族、専門医が証言した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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