飯田市三穂(みほ)の女性でつくるみなみ信州農協女性部三穂支部は29日、住民が集う催し「みほっこ祭り」を、地区内の同農協三穂事業所で開いた。同地区は柿栽培が盛んだが、ことしは4月の凍霜害で大きな被害を受けている。女性たちは、地域に活気を取り戻そうと楽器演奏などを披露し、集まった子どもからお年寄りまで約200人を楽しませた。 会場では9人の部員が、スピーカーから流れる演歌「浪花節だよ人生は」に合わせ、せんべいの空き缶や棒で作った三味線に似せた楽器をしゃもじで鳴らした。地元の市三穂小学校の1~6年生約70人も参加し、唱歌「故郷(ふるさと)」などを合唱して会場を盛り上げた。集荷センターでは女性部員らが店舗を構え、自分たちで栽培したピーマン、キュウリといった野菜や五平餅などを販売した。 同支部などによると、肉や野菜を販売していた店舗が2008年に閉鎖されて以来、住民同士が触れ合う機会が少なくなった。地域で交流する機会をつくろうと、同支部が昨年から祭りを開催。同農協によると、各支所が開く祭りはあるが、女性部が独自に開く催しは他にないという。 同地区の柿はことしはほぼ全滅状態という。部員の多くが柿を栽培しており、収入減が心配される。支部長の今村千恵子さん(63)は「みんなが暗くなっている時なので、大勢の人に楽しんでもらえてよかった」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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