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駒ケ根クレーン事故初公判 被告、起訴内容認める

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 駒ケ根市の県立駒ケ根病院(現・県立こころの医療センター駒ケ根)の本館棟建設現場で2010年2月、大型クレーンが倒れて4人が死傷し、操縦していたオオタニクレーン(伊那市)の春宮惣哉(そうや)被告(48)=上伊那郡辰野町伊那富=が業務上過失致死傷の罪に問われた事件の初公判は2日、長野地裁(深見玲子裁判長)で開いた。春宮被告は起訴内容を認めた上で、「事故を予測してわざと安全装置を外したことはない」と述べた。  検察側は冒頭陳述で、春宮被告が操縦していた65トンのクレーンの限界作業半径は40・8メートルで、つり上げ可能な重さはフックを除いて280キロだったと指摘。運転室のモニター表示で作業半径がクレーンの性能を超えていると認識していたが、より多くの荷をつり上げ、早く作業を終わらせたいという工事関係者の期待に応えたいとの考えなどから、安全装置を解除したまま計852キロの資材をクレーンから限界作業半径を超えた43・5メートルの距離からつり上げたとした。  弁護側は冒頭陳述で、事故当時、春宮被告の目の前には一部完成した病院の壁があり、別の作業員がクレーンにどの程度の資材を取り付けたのかは目視できなかった―と主張。元請けのヤマウラ(駒ケ根市)はクレーン作業を停滞させないため、工事の打ち合わせ会議にオオタニクレーンの責任者を呼ばないなど安全管理体制を十分に整えていなかったとし、「過失が競合して発生したもので、被告一人に帰責するのは相当ではない」と述べた。また、死傷した4人とは示談が成立しているとした。  起訴状によると、春宮被告は10年2月22日、同病院の建設工事現場で、制限荷重に達すると自動停止する安全装置を故意に解除し、規定の作業半径や荷重の限界を超えて資材をクレーンでつり上げた。資材の重みでクレーンを転倒させ、作業中の下請けの従業員=当時(30)=を死亡させた他、作業員3人に骨折などの大けがを負わせたとしている。別に送検されたヤマウラの当時の統括安全衛生責任者ら3人は不起訴となった。  次回は8月19日開き、結審する予定。(長野県、信濃毎日新聞社)


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