長野市は3日、本体建設工事の入札価格が市の予定価格を上回り、入札が不調に終わった新市民会館について、条件付き一般競争入札を再公告した。市によると、今回の予定価格は、県平均で2012年度比約18%上昇した13年度の労務単価(人件費)や最近の資材価格を踏まえて積算した。予定価格は事前公表していないが、前回より上がっているとみられる。9、10日に参加を受け付け、26日に入札を行う。 前回入札には3JV(共同企業体)が参加。最低価格を入れたJVの代表者だった前田建設工業長野営業所(長野市)は取材に「公告の内容を踏まえて検討したい」。別のJV代表者の北野建設(同)は「検討中」、もう一つのJV代表者の戸田建設長野営業所(同)は「これから検討する」としている。 市は第1庁舎と新市民会館の本体工事、設備工事などを分割発注し、最も規模の大きい新市民会館以外は落札者が決まっている。新市民会館の入札で落札者が決まれば、8月上旬に予定する臨時市会の議決を経て契約し、8月中にも着工する見通し。 市は新市民会館の完成を2015年3月としており、「工事内容を変更するなどして予定通りの完成を目指す」(第一庁舎・長野市民会館建設事務局)としている。 新市民会館の入札は、前田建設工業長野営業所・飯島建設のJVが5月31日に52億7500万円、6月7日に52億4500万円で入札して最低価格となったが、予定価格を上回った。市はこのJVとの随意契約を目指したもののJVの辞退で不調に終わった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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