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日穀製粉、小麦製粉から撤退 輸送費かさみ ソバに注力

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 日穀製粉(長野市)が6月限りで小麦の製粉から撤退したことが3日、分かった。小麦の製粉は、海外産小麦を横浜市や名古屋市の港から松本市の自社製粉工場に運ぶ輸送費がかさみ、生産効率が悪かったため、10年以上前から徐々に縮小していた。今後は他社に製粉を委託するなどして小麦粉商品の販売は継続。経営資源を、付加価値の高いソバの製粉や関連商品の開発、販売の強化に振り向ける。  同社の小麦粉関連商品は、業務用と家庭用で約150銘柄。原料の輸入小麦は横浜や名古屋などの港に水揚げされた後、松本市の工場に輸送するのに1トン当たり約5千円の輸送費が掛かり、港近くに工場を構える製粉大手に対し、競争力が劣っていた。  このため、1945(昭和20)年に創業してから長く主力事業だった小麦の製粉を段階的に縮小。国内外の原料小麦の仕入れ量はピークだった91年3月期の約6万トンから、2013年3月期に約3800トンへ減らし、他社製粉の小麦粉を仕入れ販売してきた。  小麦粉関連商品は今後、県産小麦は柄木田製粉(長野市)に製粉を委託し、大手製粉会社から海外産小麦粉を仕入れて独自配合するなどして販売を継続。松本市の工場は小麦の製粉ラインを撤去し、小麦粉を小袋詰めする設備を新設する。  小山紀雄社長は「ソバ関連など競争力が高い部門への投資を強める」と説明。ソバの製粉は、石臼びきや粗びきなど顧客の要望に応じた手法で付加価値を高められ、小麦粉よりも優位な販売展開ができると見込む。そば粉を原料とするパスタや茶、菓子の開発製造に力を入れる方針で、「ソバには『信州』というブランドもある。ソバと言えば日穀と言われるよう製品展開していきたい」としている。  日穀製粉の13年3月期の売上高は90億7700万円、純利益は1億2600万円。小麦製粉からの撤退で経営効率の改善を見込み、14年3月期は増収増益を予想している。関連企業を含めて計223人(4月1日現在)いる従業員数に変動はない。(長野県、信濃毎日新聞社)


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