「信州うえだ塩田平ため池フェスティバル」が14、15日、上田市手塚の広域通信制高校「さくら国際高校」を主会場に開かれる。地元の塩田地域には現在、約100カ所のため池が点在し、農業用水として水田などに利用。その価値を見直し、今後も大切にしてもらう狙いで、地元などの22団体でつくる実行委員会が初めて企画した。講演会やシンポジウム、展示を行う。 塩田地域ではこれまでも、地域協議会を中心に「ため池マップ」を作ったり、ため池の歴史や貯水量を紹介する看板を約40カ所に置いたりしてきた。今回は「地元の人にため池を守る意識を高めてもらい、他地域の人には良さを伝えたい」と企画した。 14日正午に同校体育館で開会。音楽演奏などの後、午後3時20分からシンポジウムを開く。地元の歴史研究家でつくる塩田平文化財研究所の橋詰洋司さん、塩田平土地改良区の小林隆利理事長、地元住民らでつくるマダラヤンマ保護研究会の早川慶寿(けいじゅ)会長、長野大(上田市下之郷)の熊谷圭介准教授が、文化財としての位置付けや環境保護などの観点からため池について語る。 同7時からは同校近くの舌喰(したくい)池北側で、かつて行われていた伝統の雨乞い行事「百八手(ひゃくはって)」を地元の約100人で再現。長さ3メートルほどのたいまつを1人1本ずつ持って火を付け「雨降らせたんまいな」と全員で唱える。 15日はため池や寺を歩いて回るイベントがある。参加無料で、事前申し込みが必要。同校体育館では両日とも、地元5団体がため池の歴史や維持活動を紹介するパネル展示をする。14日は午後5時、15日は同1時まで。 塩田地域ではことし5月から6月にかけて雨が少なく、ため池の水量が一時減る事態になった。実行委員長の片桐真次郎さん(70)は「ため池の重要さをあらためて知るきっかけにしてほしい」と話している。 申し込み、問い合わせは塩田の里交流館とっこ館(電話0268・39・7250)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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