気象庁が来年3月から、火山の噴火警報に「避難などの厳重な警戒をしてください」といった具体的な避難行動を付け加えることを検討していることが8日、分かった。避難勧告・指示を出すのは自治体権限のため、地元との合意が前提としている。同庁火山課の今井敏之・火山防災官が同日、岐阜県高山市で開かれた焼岳火山噴火対策協議会で明らかにした。 噴火警報は、火山活動に伴って周辺住民や登山者らに危険が及ぶ可能性がある際に発表する。同庁はことし3月、警報を出す全国110の火山について、警戒が必要な場所が「火口周辺」か「居住地域」なのかを、市町村ごとに明確にするよう改善した。 このうち県内の浅間山、焼岳、御岳山を含む29火山については、地元の対策協議会(地元自治体含む)と協議し、「指定された高台などに直ちに避難してください」「入山規制などの警戒をしてください」といった防災行動を検討。警報文に加える方向で調整する。 同庁火山課によると、2011年に霧島連山・新燃岳(宮崎、鹿児島県)が噴火した際、地元から警報が分かりにくいとの声が上がった。同課は「どう対応すれば良いか、警報の文言を含めて地元と協議して踏み込む必要性を感じた」としている。 この日の焼岳火山噴火対策協議会では、本年度は噴火警戒レベルに応じた防災対応を示す「焼岳火山防災基本図」を作るほか、国や県、市の役割を記した「焼岳火山噴火対応計画」をつくることも決めた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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