下伊那郡松川町上片桐の松川高校で8日昼ごろから、熱中症とみられる症状で同郡内の病院に運ばれた生徒はその後も増え、飯田広域消防本部や同校によると、最終的に1~3年の女子生徒16人と3年の男子生徒5人の計21人に上った。20人は同日夕までに帰宅したが、3年の女子生徒1人が入院した。重症の生徒はいない。県内は同日、太平洋高気圧に覆われて全域で晴れ、気温が上昇。長野地方気象台によると、同校に近い観測点の飯田の最高気温は34・1度だった。 同校によると、この日は5日に始まった文化祭「松高祭(まつこうさい)」の最終日だった。午前9時すぎからグラウンドで体育祭があり、全校生徒約390人が参加して各クラス対抗のリレーや綱引きなどが行われた。 午前11時40分ごろ、借り物競走を観戦していた3年の女子生徒が過呼吸のような症状を訴え、水分を取らせるなどしたが、手がしびれる症状が出た。他の生徒3人もめまいや頭痛などを訴えたことから119番通報したという。 体育祭は午後0時10分ごろに終了した。その他の生徒にもめまいや頭痛などの症状が出たため、午後3時ごろにかけて病院に運んだ。午後に予定した閉祭式は中止し、残った生徒を下校させた。 同校は午後4時半すぎから会見を開き、丸尾泉教頭は、朝のホームルームなどで水分を小まめに取るよう呼び掛けるなどしていたと説明。「気温の上昇と連日の文化祭の疲れなどが重なったとみられる」と話した。 長野地方気象台によると、同日の各地の最高気温は、飯田市南信濃が35・3度、松本が35・1度で、県内でことし初めて35度以上の猛暑日になるなど県内30観測地点中28地点でことし最高を記録した。 一方、県内各地の消防本部などへの取材によると、上田、須坂市で各3人、北佐久郡軽井沢町で2人、松本、飯田、茅野、佐久、千曲、東御、安曇野市、上伊那郡箕輪町、東筑摩郡麻績、朝日村で各1人が熱中症の疑いで病院に搬送された。重症者はいないもよう。このうち、松本や上田市内ではクラスマッチや文化祭の片付けをしていた高校生も搬送された。県内全体の搬送者は39人で、ことし最多とみられる。 同地方気象台は、12日ごろまでは太平洋高気圧の勢力が強く最高気温が30度を超える真夏日が続く可能性があるとして、熱中症に注意を呼び掛けている。9日の予想最高気温は松本、飯田35度、長野33度、諏訪32度、軽井沢30度。(長野県、信濃毎日新聞社)
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