須坂市動物園で、トビを飼育員の腕に乗せて園内を巡る「トビのお散歩タイム」が来園者に人気だ。主役は、飼育する3羽のうち一番人懐こい性格という「角(かく)さん」。風を受けて羽を大きく広げる様子や、キョロキョロと動く目を間近で観察したり、触ったりできる。 トビはワシタカ科の猛禽(もうきん)類。角さんは2002年に交通事故に遭って保護された。左の翼を骨折して飛ぶことができず、野生に戻せないため同園が引き取った。保護した時に既に成鳥だったため年齢ははっきりしない。現在は体長約35センチ、体重2キロ弱。体の大きさなどから雄とみられる。 ことし冬に飼育舎の中で腕に乗る練習を始め、4月にデビュー。今では1時間ほど腕に乗っていられるようになった。新潟県上越市のアルバイト金子沙織さん(20)は「こんなに近くで見たのは初めて」と喜んでいた。 お散歩タイムは原則毎週土日に実施。担当飼育員の羽生田(はにゅうだ)実さん(52)は「『ピーヒョロロ』という鳴き声や羽の美しさをじっくり観察して楽しんでほしい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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