佐久浅間農協(本所・佐久市)は17日、規格外で出荷できなかったカーネーションを利用して染めたエプロンを作り、発表会を南佐久郡佐久穂町の同農協みなみ花き共選センターで開いた。カーネーション産地の同町など佐久地方をPRする目的。自然素材の衣服を手掛けるECOMACO(エコマコ・長野市)が協力した。同センターの女性職員が着用している。 同農協は以前から、育ち過ぎたり、がくが折れたりして出荷できない規格外のカーネーションが生産量の数パーセント生じることから、廃棄せず有効活用する方法を探っていた。環境に配慮した衣服を作っているエコマコに相談、3年前から染料にする方向で試作を重ねた。 花の選別をする共選センターの女性が着るエプロン100着を、ピンクのカーネーション約80キロを使って染めた。花の色ほど濃くはないが、ピンクに仕上がった。今月上旬から同センターの女性職員40人が身に着けて作業をしている。一般販売の予定はない。 農林水産省の統計では、長野県はカーネーションの出荷量が全国1位。同農協によると、管内から毎年約900万本を出荷しており、佐久穂町が7割を占める。標高が高い佐久地方は夏季がカーネーション出荷の最盛期で、小売業者がセンターを見学に来ることも多い。 同農協みなみ中部営農センター長の市川正一さん(56)は「エプロンに注目してもらい、カーネーション産地としての印象をより強くしたい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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