上伊那郡南箕輪村教育委員会は18日午前、同村南部小学校の女性事務職員(39)が約2年間にわたり給食費など計163万円余を着服していたと発表した。住宅ローンなど借金の返済などに充てていたという。親族から全額弁償の確約を得ており、刑事告訴はしないとしている。職員の氏名は公表していない。 村教委が調査を依頼した弁護士などによると、女性は県職員で、2011年4月から同校に勤務し、主任として会計を担当。同年6月からことし6月にかけ、栄養士ら村職員や口座振替を利用していない児童から現金で徴収した給食費から116万円余、欠席などによる給食費返還と業者への支払い名目で42万円余、現金徴収の職員慶弔費から4万円余をそれぞれ着服したとしている。 今月2日、業者から代金未納の問い合わせがある―と同校の栄養士が校長や教頭に相談し発覚した。同校では毎年、PTAが会計監査をしているが、職員が決算書の数字を口座残高に合わせて報告していたため、見抜けなかった。職員は事実関係を認め、自宅で待機しているという。 記者会見した征矢鑑(かん)教育長は「学校徴収金の管理に問題があった。深く反省している」と陳謝。今後、村教委から職員を派遣してチェック態勢を強化するとした。同校の北沢浩美校長は「本人は明るく快活で、子どもたちからも親しまれていた。管理に甘さがあったことは否定できず、反省している」と述べた。 村教委の発表を受け、伊藤学司県教育長は「教職員による非違行為根絶に向け全県の学校が取り組んでいる中で、重大な非違行為が行われていたことは誠に遺憾」とのコメントを発表。県教委義務教育課は「極めて重大な事案であり、職員の処分を検討する」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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