Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

信大医学部助教ら、中学生のピロリ菌を検査

$
0
0

 信大医学部(松本市)小児医学講座助教の中山佳子医師(44)らは、胃の中にすみ着き胃炎や胃潰瘍を引き起こす「ピロリ菌」が、県内中学生でどれくらい感染しているかを調べる検査に取り組んでいる。ピロリ菌は主に小児期に親から感染し、大人になって症状が現れるとされてきたが、近年小児期にも胃炎などを起こすことが分かってきており、その実態調査と治療が狙い。小児期は診断されずに放置されていることも多く、検査への協力を呼び掛けている。  中山医師によると、ピロリ菌は主に親がかみ砕いた食べ物を子どもに与えるなどした際に感染すると考えられている。小児期は多くが無症状だが、中学生前後で慢性胃炎による鉄欠乏性貧血や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を引き起こすことも分かってきた。ピロリ菌が原因かは特殊な検査をしないと分からないため、診断が付かないまま貧血などを繰り返している患者もいるという。  そこで中山医師は本年度、愛知医大(愛知県長久手市)公衆衛生学講座の林桜松(リンオウショウ)准教授(39)らと共同で、県内中学生の感染検査に着手。学校健診で採った血液の残りを使い、希望者について調べる。陽性か陽性が疑われる場合は、より精度の高い呼気や便の検査をして、陽性なら内視鏡で検査する。血液、便、呼気の検査は無料。  感染していても全く症状の出ない人もいるため、薬による除菌治療は、中山医師が必要と判断した場合か患者、家族が希望した場合に行う。  「貧血や潰瘍で苦しんでいる中学生を救いたい」と中山医師。既に検査した県内のある中学校では40人余のうち数人で感染が見つかっており、林准教授は「中学生の実態調査はとても貴重なデータ。ぜひ協力を」と呼び掛けている。  ピロリ菌の感染者の約3%は最終的に胃がんを発症するとの調査結果もある。中山医師は「若いうちに除菌する方が、胃がんの予防効果も高いはず」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>